低身長治療 長田駅徒歩1分の小児科 のせ小児科クリニック(神戸市)

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成長ホルモン治療(低身長の治療)

両親の身長が共に高い方だと、お子さまの身長が平均より少し低いだけでも低身長だと感じられるでしょうし、 逆にご両親の身長が低いと、お子さまの身長が少々低くてもあまり気にならないこともあるでしょう。だから背が低いという感じだけでは一概に低身長というわけではありません。

すなわち低身長とは科学的データにもとづいて 判定されなければなりません。(せめて男の子は165cmの背丈がほしいと感じているのに、162cmしかないというのは低身長ではありません)

低身長の診察(検査)

低身長の原因を診断するわけですから、なるべく専門医療機関で行うべきです。 専門医療機関はなにも大病院とはかぎりません。低身長を診断し治療する専門の診療所も全国にたくさんあり、かえって大病院よりきめ細かで、個々の患者さんの都合や悩みにていねいに応えてくれます。

専門医療機関での検査について

外来では一般的な検査と身体測定を行います。

「治療が可能な低身長症」の疑いを持たれた場合は、専門医療機関で問診や診察、検査を受ける必要があります。外来の時点では採血、採尿をして一般検査や予備検査(スクリーニング検査)を行います。この他、手のレントゲン写真を撮り、骨年齢を計測したり、女子では染色体の検査なども行われることがあります。

問診では、本人の病歴や食生活などのほか、これまでの成長記録、家族歴などについて詳しく聞かれますので診察を受ける際は母子健康手帳や幼稚園・学校の健康手帳などの成長の記録を持っていくとよいでしょう。

成長ホルモンの分泌刺激試験を行います

これまでの検査で成長ホルモンの分泌異常が疑われる場合は、成長ホルモンの分泌を促す薬剤を投与して、血液中の成長ホルモン濃度が上昇するかどうかを検査する必要があります。

成長ホルモンは常に一定の濃度で分泌しているのではなく、時間の経過ごとに血液中の濃度が異なります。このため1回のみの検査では信頼性が低いため、薬剤を投与してその前とその後30分ごとに2~3時間継続して採血を行う必要があります。これを負荷試験といいます。体質によっては、ある程度の薬剤の刺激に全く反応しないこともあるため、少なくとも2つ以上の負荷試験を行います。

複数の試験結果に矛盾が生じた場合や、成長ホルモン分泌不全による低身長症の疑いが強い場合はさらにくわしい検査を行います。

この検査は外来でも行うことができますが、入院して上記の検査と一緒に行うこともあります。

低身長の原因

実際に治療が可能なのは、下垂体性小人症(成長ホルモン分泌不全性低身長症)とターナー症候群、骨軟骨異栄養症、プラダーウィリー症候群、慢性腎不全、SGA性低身長症のみで、これらを「治療が可能な低身長症」といいます。上記2つの場合は成長ホルモンによる治療が有効ですし専門医で診断されれば費用もほとんど無料となります。

成長ホルモンによる治療

では、成長ホルモンによる治療についてお話しましょう。「治療が可能な低身長症」と診断されたら、成長ホルモンによる治療を行います。

これは、小さい時期は1日おきに、大きくなればほとんど毎夜、寝る前にお父様かお母様が成長ホルモンをお尻の皮下に注射します。それは「寝る子は育つ」と言われるように、寝ている間に成長ホルモンにより背が伸びるからです。

素人の方は注射と言うと大変だと思われますが、最初にていねいに教えてもらえば、私の経験では100%のお母様が上手に出来るようになります。法律的にも、成長ホルモンと糖尿病の注射にかぎって、親権者の子供へのこの医療行為は認められています。お母様が月1回、医療機関を受診し主治医に経過を報告し、1か月分の注射液と注射器を持って帰ります。

さて、費用ですが、専門医療機関できっちり検査をし、正しい診断を受ければ、費用は公的補助によってまかなわれ、自己負担額は平成15年から一部負担となりました。(所得によって異なりますが、1か月約5750円は必要になりました)以上の治療は医師ならだれでも出来るように見えますが、性ホルモン治療もいずれ必要となるのでやはりその道の専門家にみていただくのが良いでしょう。

SGA性低身長について

生まれたときに小さかった(いわゆる未熟児)のお子様へ

いろいろな原因で小さく生まれる赤ちゃんがいます。生まれたときの体重が2500gよりも小さい赤ちゃんを、以前はひとくくりにして「未熟児」と呼んでいました。この「未熟児」の中でも、お母さんのおなかにいる期間に応じた本来の大きさよりも小さく生まれた赤ちゃんを近年ではSGA(small-for-gestational age)児と呼んでいます。

たとえば同じ2000gで生まれた赤ちゃんが2人いたとします。そのうち一人は予定日より1か月はやく生まれた(在胎36週)赤ちゃん、もう一人は予定日通り(在胎40週)だったとします。この場合、予定日より1か月早く生まれた赤ちゃんの方は、もし予定日まであと1か月お母さんのおなかにいて成熟すれば2500gを超えていたことが予想できるため、SGAではない可能性が大です。

これに対して予定日までおなかにいたにもかかわらず、2000gで生まれた赤ちゃんは、同じ40週間おなかにいたほかの赤ちゃんに比べて明らかに小さいことは容易にわかりますね。こちらの方は先程述べましたSGA児なのです。このように生まれたときの体重のほかに、在胎週数(母親のおなかの中にいた期間)によってSGAかどうかが決まります。

ではSGAだとその後どうなるのでしょう?SGA児の多くは2歳までに急速に体が大きくなり、通常児と比べても極端に小さいということはなくなります(キャッチアップといいます)。しかしSGA児の約10%はキャッチアップせず、何もしないと低身長のまま大人になることがわかっています。またSGA児は乳幼児期に急速に身長・体重増加がおこるため将来肥満になる可能性が高くなる、思春期の発来が普通よりも早い傾向にある、糖尿病になりやすいなどの特徴が知られています。

このようにSGAだとわかっていれば将来に起こりえる出来事に対して備えることができるでしょう。その中でも低身長に対しては、幼児期早期に診断がつけば適切な治療を受けることができ、将来通常児と同じ程度の身長発育が期待できます。

SGA性低身長と成長ホルモン治療についてのQ&A

先程述べましたSGA児の中で2歳を過ぎてもキャッチアップがみられず、低身長が持続する場合は「SGA性低身長」の可能性があります。専門医での診察、検査を経てSGA性低身長と診断されたお子さんで、成長ホルモン治療の適応があると認められた場合は、治療の対象となります。

どこにいけば診断がつくの?

SGA性低身長と診断し、適切な治療をするには特殊な専門知識が必要になってきます。信頼できる専門家のいる小児科・小児内分泌科を受診しましょう。

当院でもSGA性低身長の診断、治療をおこなっています。受診の際はあらかじめお電話でご予約ください。

受診の際、持っていくものは?

妊娠経過および出生時の記録(母子手帳)、現在までの身長の記録(毎年ある保育所や幼稚園での身体測定の結果など)

どんな診察や検査をするの?
  1. お持ちいただいた成長記録をもとに成長曲線を作り、低身長の程度を判定します。
  2. 身長・体重の測定、心臓や内臓、からだ全体に大きな異常がないかの診察を行います。
  3. 骨の年齢を知るために左手の手首から先のレントゲン写真をとります。
  4. このほか肝臓・腎臓・甲状腺ホルモンなどに異常がないか血液検査も行います。
  5. また必要があれば染色体検査や、後日成長ホルモン分泌刺激試験を実施することもあります。

以上のことを順番におこなっていき、また詳しくご説明しますので、診察終了まで約45分程度かかります。

診断がついたらどんな治療をするの?

SGA性低身長と診断がつき、適応があると医師が判断すれば、成長ホルモン治療に入ります。これはご家族の方がお子様に毎日自宅で専用の注射機器を使ってお薬を投与する「自己注射」という方法をとります。もちろん治療開始の際には、くわしく機器の取り扱いや注射方法をご説明します。最近では改良がめざましく使い方も簡単で、お子様から針が見えないように工夫されており、針も非常に細く痛みもほとんどありません。

効果はあるの?

日本よりも早くから治療を導入している欧米の調査では、成長ホルモン治療を受けると明らかに身長が伸び、最終身長も治療を受けなかった場合に比べて高くなると報告されています。また身長の増加はもちろん、血圧や代謝の改善、低身長改善による心理的効果ももたらされると報告されています。

副作用がこわいのですが…

もともと成長ホルモンは自分自身の体の中でも作られているものなので、非常に安全なお薬です。しかし時に肝機能障害がみられたり、ごくまれですが糖尿病や悪性腫瘍の報告もあります。このような副作用はほとんどの場合、いつ誰におこるか治療開始前には予測できません。そのため万一何かおこったときに迅速に対処できるよう、経験のある専門家のもとで定期的にフォローする必要があるのです。

いつまで治療するの?

一般的に治療期間は長期にわたります。これは幼児期から治療を開始し、成長が止まるのが思春期ごろであるためです。しかし成長の度合いは個人差があるため、一概にはいえません。

費用はどのくらいかかるの?

SGA性低身長による成長ホルモン治療は保険診療であるため、お子様の年齢や、保護者の加入している健康保険組合の種類、医療券の有無などによって窓口でお支払いいただく金額が決まります。また投与する成長ホルモンの量はお子様の体重によって決まるため、体が大きくなってくると使用する薬の量も増え、負担していただく費用も上がることが一般的です。このように細かい条件によって費用は大きくかわってくるため、ひとことでいくら、と言えませんが、あらかじめ治療開始前には概算でお伝えすることが可能です。主治医にご相談ください。

のせ小児科クリニック
概要

院長 野瀬まどか
標榜科目 小児科
診療時間 午前 9:30~12:00  午後 16:30~18:30
休診日 火曜日午後、日曜日、祝祭日
住所 兵庫県神戸市長田区四番町7-27
ワコーレ長田総合ビル2F
電話 078-575-4865
アクセス 神戸市営地下鉄長田駅・阪神電鉄高速長田駅、徒歩1分
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入院施設があり、完全看護を実施しています。
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小児科部長の江口先生は小児腎臓疾患がご専門ですが新生児診療もなさるオールマイティです。
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無床診療所ですが、病児保育施設を併設されています。
大変おやさしい女医さんです。